【裁判傍聴】第2弾|「裁判員裁判」を法学部学生が見学してみた!

みなさんこんにちは。現役大学生のRicoです!
裁判傍聴第2弾!ということで、今回は“裁判員制度”に着目してお伝えしたいと思います。
ドラマ「イチケイのカラス」を観て、裁判に興味を持った方も多いのではないでしょうか?
このドラマのメインは裁判官。
そして私たちのような司法資格を持たない民間人が裁判に参加するのが裁判員制度です。
テレビでは聞いたことあるけど、、、
実際自分にも起こりうることなの?
そもそもどんな事件を扱っているの? など不安や疑問があると思います。
そこで、前回の裁判傍聴に続き、今回は裁判員裁判を傍聴してきました!
皆さんの「選ばれた時」の不安や疑問の解消、裁判に対する興味に繫がれば幸いです。
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1.裁判員制度とは
「裁判員制度とは、国民のみなさんから選ばれる裁判員が刑事裁判に参加する制度です。6人の裁判員と3人の裁判官が、ともに刑事裁判に立ち会い、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合どのような刑にするかを判断します。」
『裁判員制度―より多くの方に、参加していただくために―』より引用
最高裁が公開している資料によると
裁判員裁判対象事件は全体の1.6%(平成30年度)で非常に少ないです。
理由としては、裁判員裁判では強盗致傷や殺人、現住建物等放火など凶悪犯罪が対象であるからです。
そのため、1年間で裁判員または補充裁判員になる確率は、約13,500人に1人ほどになっていて、確率は高くはありません。
2.裁判員に選ばれたら?
①裁判員候補者に選ばれたと裁判所から通知がくる
調査票が同封されていて、
・裁判員になることができない理由があるか否か、
・辞退できる理由がある場合辞退するか否か、
などの質問に回答することになります。
②事件ごとに裁判員候補者の中からくじで選ばれる。
③選任手続期日のお知らせ・質問票の送付される。
くじで選ばれた裁判員候補者に選任手続期日のお知らせが送付され、質問票が同封されています。
質問票では、裁判所に行くことができない理由があるか否か、などの質問に回答します。
仕事を理由にとする裁判員の辞退について
仕事が忙しいという理由だけでは、辞退はできないことになっています。
しかし、例外として本人が処理しなければ会社自体に多大な損害が出る場合など、裁判所の総合的な判断によって辞退が認められる場合があります。
④選任手続
選任手続期日のお知らせを受け取った裁判員候補者は、選任手続の当日、裁判所に向かいます。
裁判長から候補者に対して、不公平な裁判をする恐れがあるか否か、辞退希望の有無などについて質問があります。
※この選任手続はプライバシー保護の観点から非公開となっています。
⑤6人の裁判員を選任
裁判員候補者の中から、その事件の裁判員6名をくじで選出します。(必要があれば補充裁判員も選任します。)
裁判員や補充裁判員に選ばれなかった、裁判員候補者の方は、ここですべての手続きが終了となります。
まとめると
国民全体 → 裁判員候補者 → 事件ごとに候補者を振り分け → 裁判所に出向くことができる候補者 → 裁判員(6名)
という流れで、くじによって最終的な6名の裁判員が選任されます。
3.裁判を傍聴して気づいたこと
今回の裁判は、酔って母親を殺害してしまった息子を審理する裁判でした。
印象的だったのは、事件の概要を両者の立場で説明する冒頭陳述において、検察官も弁護士も裁判員に対して、語り掛けるような話し方をしていることでした。
難しい専門用語で述べられたり、ただ考えてきた文章を読むのではなく、何に注目して裁判に臨んでほしいかや、被告人の心情などを裁判員に対して訴えているような形で行われていました。
裁判の最中においても
証人として法廷で証言した解剖医の医師の説明において、医学用語がでてきた際には、「わかりやすくいうと…」と検察官が簡単な言葉に直したり、ジェスチャーで裁判員にもわかりやすいように説明していました。
他にも裁判員に対する気遣いが見られました。
それは遺体の写真です。
解剖医の証言は、検察官が遺体の写真を示しながら行われるのですが、その際に写真が見えないように検察官と証言者の手元で行われる場面が見られました。
もちろん写真が正式なものであることは、弁護側が確認しながらこの証言がなされています。
4.まとめ
今回の裁判を傍聴して、裁判員はあくまで中立的な立場で判決を下さなければならないんだなと強く感じました。
それは事件の概要を説明する冒頭陳述においても分かることだと思います。
検察官、弁護人の双方から見える事件の概要は違います。
一方からの説明ではなく、双方から同じ内容の、しかし全く捉え方の異なる説明を受ける形式となっています。
さらに、裁判長も疑問をその場で解消することをいとわず、聞き取れないことやわからなかったことに関してすぐに聞き返していました。
人の人生を左右する判決を下さなければならないという責任は大きいですが、その分、判断するにあたって必要となる情報は的確に与えられます。
そのため、もし裁判員に選ばれたとしても、安心してください。
きちんと事件の内容を理解し、真実を見極めたうえで、どのような判決をくだすのか話し合いながら決めることができます。
いかがだったでしょうか?
裁判員制度についての不安や疑問を少しでも取り除けていたらうれしいです。
そして、皆さんが裁判員候補者に選ばれた時、国民の義務として前向きに臨んでいただけたらと思います。
また、見学をした当日、感染症対策のため間隔は取られていましたが、傍聴席はほぼ満席。
同じ学部の友だちにも数人会い、若い男女も多く見られました。
フィールドワークはもちろん、ドラマの影響でしょうか?
理由はさておき、こんな風に裁判に興味を持って、身近に見学されるのは良いことだと思いました。
この記事で、皆さんの裁判傍聴の見学のきっかけになればとも思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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Rico

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