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哲学、何から始める?日々の思うことが解決?|理系学生から見た哲学と数学の密接な関係

アテナイの学堂

すぎもとこんにちは、すぎもとです!

僕は理系の学生でしたが、2年前から哲学を勉強しています。

この記事では、僕が気づいた哲学を学ぶことの意味をまとめてみます。

■哲学とは何か?

みなさん哲学に対してどんなイメージをもっていますか?
「役に立たない学問」「宗教っぽくて胡散臭い」「答えのないことを考え続ける」
こんなイメージを持っている人も少なくないと思います。

また、「人生哲学」「経営哲学」「私の哲学」のように自分の考え方、思想という使われ方もしますね。

でも、本来の哲学は「世界を概念と原理で説明する」という意味をもっています。

よく哲学と混同される宗教は世界を”物語”で説明します。
キリスト教の聖書や神道の古事記などはまさにそうですね。多くの宗教で神がどのように世界をつくったかが描かれています。

宗教は物語を用いるので、物語を信じる範囲でしか信仰は広まりません。
一方で哲学は原理(誰が聞いても納得できる根本となる理論)を用いるので、宗教や文化の限界を超えて全人類が納得できます。

宗教と哲学

 

■哲学との出会い

そもそも僕が哲学に興味をもったのは哲学対話への参加がきっかけです。哲学対話では「〇〇とは何か?」を哲学思考を用いて対話を通して考えていきます。例えば「遊びとは何か?」「恋とは何か?」などをテーマにします。

哲学対話自体には哲学の知識は必要ありません。
ただ、あまりにも哲学対話が楽しかったので、それから哲学の入門書を漁るように読んでいきました。

入門書を読むにつれて段々と哲学の面白さと学ぶ意義がわかってきました。

 

■理系学生から見た哲学

僕は大学では情報工学を専攻していました。哲学といえば文系科目で、自分とは全く関係のない学問だと思っていました。

それは間違いで、哲学と理系の学問は密接に関係しています。そして、これからの工学の分野では特に哲学の素養が重要視されるはずです。
学問の歴史と哲学数学と哲学工学と哲学という三つの視点から理系学問と哲学の共通点を見ていきます。

・自然科学は哲学から始まった

世界最初の哲学者タレスは世界が何でできているのかを考えた哲学者です。タレスに限らず、古代ギリシャでは世界が何から構成されているのかを考え続け、ついには現代にも通じる物質はこれ以上分解できない原子でできているという、原子論まで行き着きます。

そして数百年後、万学の祖と言われる哲学者アリストテレスが、天体学、自然学(物理学)、気象学、生物学などの理系学問を打ち立てています。

これは理系学問に限ったことではなく、多くの学問は哲学から始まっています

哲学の範囲

アリストテレスにとっての哲学

・数学と哲学の共通点

文系学生から忌み嫌われる数学も哲学と密接な関係にあります。

歴史を見ると多くの哲学者が、数学者でもありました。中でも最も有名なのがデカルトです。

中学生の時に習ったデカルト座標(x軸とy軸からなる座標)はデカルトが発見したと言われています。

デカルト座標

数学には「公理」というものがあります。公理は理由なく正しいとされる命題(ルール)です。
例えば「素数は無限個存在する」というのも公理の一つです。
そしてこれらの公理を組み合わせて新しいルール、「定理」をつくることで数学はより高度になります。

デカルトはこの数学の特性を哲学に応用しようとしました。
つまり、理由なく正しいとされる哲学的な命題を考えてそこから、新しい哲学体系を作り上げようとしたのです。
その公理が有名な「我思う、故に我あり」です。

・現代の工学に哲学が必要な理由

工学部では「工学倫理」という授業が必修科目になっています。
これはいわば工学における哲学です。

AIや自動運転の技術が発展し、今まで人間が状況に合わせて理性的に下していた判断を機械(プログラム)が下すようになります。

あらかじめプログラミングしなければいけないということは、どんな状況でも通用する「正しい判断」を書き込まなければなりません。

例を挙げて説明しましょう。この問題でよく取り上げられるのが「トロッコ問題」です。

線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。この時たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいた。A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。しかしその別路線でもB氏が1人で作業しており、5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?
(wikipediaより引用)

トロッコ問題

これはそのまま自動運転のプログラムに応用できる問題です。

また、AIは社会に大きな影響をもたらします。より高度に発展すればAIが社会をつくるようになるかもしれません。
そんなときに考えなければならないのが「よい社会とは何か?」という問題です。

このような価値の問題をAIが解くことはできません。ということはAIの設計段階で「よい社会とはこういう社会である」という指針をAIにプログラミングする必要があります。

これはまさしく哲学の問題です。
これからの時代、エンジニアこそ哲学を学ばなければならないと、哲学に触れてみて初めて感じることができました。

 

■哲学を勉強することの意義

ゼロから哲学を勉強してみて3つの意義を感じました。

1. 考える癖がつく

高校のときに受けた倫理の授業の影響で哲学に苦手意識をもっている人もいるかもしれません。
高校の倫理ではどうしても暗記科目になりがちです。

でも本来、哲学は考える学問です。

歴史上の哲学者たちは様々なテーマを考えてきました。
その思考の流れを追っていくのはとても刺激的です。

この哲学史を知っていると当たり前が当たり前ではないことに気づきます。そうなればぼんやり過ごしていた日常の中であらゆることを考えるようにもなります。

2. 悩みが解決する

現代までに、哲学者たちは2500年かけて様々なテーマを考えてきています。

「生きる意味とは何か」、「存在とは何か」をはじめとする”哲学らしい”問題から、「恋とは何か」、「不安とは何か」など私たちにとっても身近な問題まで様々です。

生きる意味がわからなくなったり、恋に悩んだりした経験はみなさんも持っているかもしれません。でもその悩み事のほとんどは昔から経験されてきており、哲学者がすでに解決しています

哲学を学ぶことで、2500年分の知恵を武器にすることができます。

3. 物事を分析しやすくなる

哲学は考える学問です。考え方にはパターンがあります。哲学史を見ると、この考え方のパターンの繰り返しで進展してきました。
ざっくりいうと、哲学史は絶対主義と相対主義の時代の繰り返しです。

絶対主義は「どこかに絶対揺るがない真理が存在する」「本当の正義はどこかにある」という考え方です。
一方で相対主義は「絶対確かなものなんてどこにもないよね」「正義の基準なんて人によって全然違うじゃん」と物事を相対化する考え方です。

TwitterなどのSNSを覗けば、この絶対主義と相対主義がベースとなった議論が永遠と繰り返されているのがすぐにわかります。
「あの国のコロナ対策がうまくいったから日本も真似するべきだ(絶対に正しいコロナ対策がある)」vs「でもその国の対策が日本で絶対に上手くいく保証はないでしょ?(絶対に正しいコロナ対策はない)」といった対立はその一例です。

どちらが正しいというわけではありませんが、この考え方の構造を知っておけば一歩引いた視点から冷静に物事を分析しやすくなります。

哲学を学ぶ意義

 

■哲学入門への第一歩

ここまでの哲学のメリットを読んで「哲学を勉強してみたい!」と思っていただけたら嬉しいです。
でも「哲学を勉強するのは難しそう…」と感じている方も多いと思います。

そんな方に一押しの入門書があるんです。

飲茶さんの『史上最強の哲学入門』という本です。この本びっくりするくらい面白いんです。

表紙は『バキ』という格闘技漫画の絵が使われています。なぜかというと哲学者それぞれを格闘技選手に例えて1人ずつ紹介しているからです。
眠くなることも多い哲学入門書ですが、この本は目が冴えてページをめくる手が止まらなくなりました。

哲学を勉強したいと思ってくれた方は、最初に『史上最強の哲学入門』を読んで哲学のおもしろさを感じてみてください!

一度哲学の面白さがわかれば、眠くなるような本でも面白く読むことができるはずです。

 

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tusugimo625

熊本大学出身、東京在住の会社員。哲学・教育・テクノロジーに興味があり。
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