長期有償型インターンシップで学びながら収入を得る!|株式会社 プレシードのインターン生に突撃取材
就職活動を始めると「インターンシップ」という言葉をよく耳にすることでしょう。
インターンシップは、就職する前に興味のある企業などを訪問したり、そこで実際に働いたりする職業体験制度です。
就職前に職業体験してもらい、その仕事についてより理解を深めることを目的としています。
これまでのインターンシップはあくまで職業体験ということで、報酬のない場合がありましたが、最近では有償でインターンシップを行う企業も増えてきました。
今回はその有償インターンシップを実施している熊本の企業の中から「株式会社プレシード」をご紹介します。
地元の企業が実際に行っている「有償インターンシップ」について紹介するとともに、実際にそれを利用している学生さんたちを取材してきました。
目次
有償インターンシップとは
一般的にインターンシップは、学生が興味のある企業などを就職前に訪問したり、そこで実際に働いてみたりすることで、事前にその企業や仕事などについて理解を深めてもらう目的で作られた制度です。
インターンシップは1日単位のものから数ヶ月、数年に渡るものもあります。
事前にその職業について経験できるので、就職には有利とされており、またその経験によって自身が成長できるメリットもあります。
しかし、これまでのインターンシップは職業体験という意味合いが大きく、実務を伴わないものがほとんどでした。
ですから、企業側も報酬を支払うことはあまりありませんでした。
一方、有償インターンシップでは実務を任されることが多く、単なる職業体験に留まりません。
そのため、報酬もしっかりと支払われます。
お金をいただける分、学生も仕事にしっかりと責任を持って取り組むことができ、企業側にとっても戦力になるというメリットがあります。
また、就活に関係なく1、2年生の早い段階からアルバイト感覚で始めることもできます。
熊本で有償インターンシップを実施している「株式会社プレシード」へ!
今回は、熊本で有償インターンシップを実施している会社の中から「株式会社プレシード」をご紹介します。
株式会社プレシードは、熊本県上益城郡嘉島町に本社を置く、自動機省力化機器の設計製作会社です。
そこでインターンシップに関わられている経営企画室 係長 佐藤さんにお話を伺い、有償インターンシップで行われている仕事内容や、それまでの経緯などについてお聞きしました。
現在実施されているインターンシップの仕事内容について教えてください
熊本大学のインキュベーションラボラトリーの一室をお借りして、そこで学生の皆さんに3D CAD(CAD:コンピューターを使った設計支援ツール)を使った機械設計を行っていただいています。
熊本大学で 有償インターンシップを実施するに至った経緯についてお聞かせください
もともと熊本大学の先生と一緒にインクジェットプリンター装置の研究をするために、このインキュベーションラボラトリーの一室をラボとして使用していました。
ところが、研究を一緒にしていただいていた先生が退任されまして、その後のこのラボの使い道を考えていました。
そこで、CADをアウトソーシングできないかという話が上がってきたんですね。
当社は機械設計の会社で、3D CADを使用しています。
さらに、熊大の機械系の学科では3D CADを使っているという話も聞き、我々の目的と合致するということで、学生さんを集めてみることにしました。
そのことを熊大工学部の就職担当者に相談したところ快諾いただいて、有償インターンシップを始めることができました。それが5年ほど前のことになります。
報酬体系はどのようになっていますか?
最初の頃は時給制にしていましたが、最近では1枚●●●円という成果主義にしています。
基本的には、1枚当り/作業時間1時間と想定して発注しています。
始めた当初は1時間掛かっていたものが、実践を通して、慣れたり、スキルが上がったことによって30分で完成できるようになったりします。
インターン生自身が自分のスキルアップを実感することもできるわけですね。
有償インターンシップを実施してみて何か効果はありましたか
若い人たちの考え方が違うので、最初は難しい面もあるのでは?ちゃんと働いてくれるのか?の不安がありました。
しかし、実際に募集をかけてみると、真面目な学生さんたちが集まってくれて、会社としても大きな戦力となり、とても助かっています。
インターンとして活躍している熊大生へインタビュー!
次に、実際にこの有償インターンシップ活動を行っている熊本大学の学生3人を取材しました。
今回インタビューした熊大生の3人。
左から竹嵜さん(工学部3年)、清水さん(工学部3年)、森本さん(自然科学教育部博士前期1年)
■始めたきっかけは何ですか?
森本さん:友人からの紹介でこのインターシップのことを知りました。僕は高専(高等専門学校)から編入してきたのですが、そのときのロボット設計の経験が活かせると思い、参加することにしました。
清水さん:1年生のときに、すでにこのインターシップ活動をしていた先輩からプリントが配られまして。そのときにこのインターシップのことを知りました。CADの使い方を学びながら働くことができるということに惹かれて参加することにしました。
竹嵜さん:僕も1年生の実習の際に先輩に紹介されて、このインターシップについて知りました。CADを扱えるようになってみたいと思い、参加しました。
■始めてどのくらいですか?
竹嵜さん:みんな3年目です。
■やっていて面白い所はどんな所ですか?
森本さん:2Dの図面からその部品の形状を想像して、どのような手順でモデリングするのが最も効率がいいかを考えながら3D化することが面白いと感じています。
清水さん:実際の設計図から想像のつかないような、製品の形になったり、こんな風に製品の一部になっているのかと考えながら3D化したりすることが面白いです。
竹嵜さん:CADでモデリングした1つ1つは何になるか分からないような部品が、組み立てていく中でだんだんと形になっていくのは面白いなと感じます。
■ほかのアルバイトの経験はありますか?
清水さん:別のところでインターンシップ活動をしています。
その前は、コンタクトレンズ専門店やカレーライス専門チェーン店でバイトをしていました。
森本さん:僕はしていないです。
竹嵜さん:僕もしていないです。
■大学の学びと、実際にお金をいただきながら技術を学び活用していくことに違いは?
森本さん:僕はあまり違いは考えたことはないですが、高専のときからCADでロボット設計をやっていて、そのときからCADを使うことが好きだったので、ただひたすら楽しくてやっている感じです。
清水さん:今はまだ研究室に所属していないので機械科に入ったという実感があまりないんですが、このラボに来ると実際の仕事があるので、それを体験できるという意味では違いを感じます。
竹嵜さん:お金をいただいている分、責任感を感じています。普通の授業だと適当に流してしまいがちな細かい部分も、分からなければ先輩にしっかり聞けますし、より実践的になったと思います。
■将来について
森本さん:僕は引き続き設計の仕事をしたいと思っています。
清水さん:原子力発電所の燃料のことについて勉強したいと思っています。なので、設計というよりも材料分野などに進みたいです。院への進学はまだ考えていません。
竹嵜さん:僕ははっきり決まっているわけではなくて、設計はとりあえずやってみたいと思いやっています。院への進学も考えていますが、まだ研究室選びの段階なので何をやるかはまだ決まっていないです。
■インターンシップにどんなメリットを感じますか?
森本さん:学校の授業だと一方通行的に教えられるという印象なんですが、有償インターンシップではお金が稼げるという最初の動機はあるんですが、そのために真剣に働けます。学校の授業と違った形で身に付くものがあると思います。
プレシード 佐藤さん:熊大生にとっては大学のなかで働けるというのもメリットだと思います。インキュベーションラボは学内なので実質徒歩0分。自宅から近い学生は数分で来ることができますから。
まとめ
この記事では、有償インターンシップについて紹介するとともに、熊本で有償インターンシップを実施している株式会社プレシード、そしてそこで活躍している熊大生にお話を伺いました。
インターンシップは就職前に職場体験ができるよい機会です。
最近良く耳にする就職後の“リアリティ ショック”の回避にも有効的です。
特に紹介した有償インターンシップは、実務をこなしながら報酬があり、就職活動そして将来に有利な経験とスキルを身につけられるという大きなメリットがあります。
これから就職活動を始める、ちょっと気になる職種がある、早期で自分の学びの実践をしてみたい、という人は、こういった有償インターンシップを活用してみてはいかがでしょうか。
また、この取材を通して、熊本の中小企業の研究開発や若手担い手育成の機会創出の思いと現状を知ることができました。
改めて、熊本の地元企業を見直すきっかけになればと強く感じました。
■取材協力■
株式会社 プレシード
住所 | 熊本県上益城郡嘉島町大字井寺250-9 |
tel. | 096-235-7727 |
事業案内 | 製造業/インクジェット関連装置、半導体関連装置、エレクトロニクス関連装置、自動車関連装置、液晶関連装置の受託製造、クリーンブース・コロナ関連商品の製造・販売、食品事業(プレシードあかね) |
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