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特別公開中!学生のための熊本城の見方|建築・土木・都市開発・意匠を加藤清正から学ぶ?!

新型コロナウイルス感染症の急速な拡大の影響により、一時停止となっていた「熊本城特別公開第3弾(天守閣内部公開)」が10月から再開されました!

熊本のシンボルである観光スポットとしてぜひ訪れて欲しい場所なのですが、
今回は、Border Lineならではの学生的視点で、建築や土木、そして歴史の観点で熊本城を紹介します。

 

熊本城とは

熊本城は、約400年前の戦国時代に7年の歳月をかけ熊本藩の初代藩主 加藤清正公によって築き上げられました。

その堅牢な造りは西南戦争では激戦の場となりながら決して落ちない「不落城」と称され、その力強い美しさは「日本三名城」として数えられる、熊本県民の誇りです。

平成28年熊本地震により大きな被害を受けましたが、しっかりと熊本城復旧へと歩みを進み続けています。

あれから5年の歳月を経て、2021年の春に特別公開として熊本城の象徴である天守閣内部の一般公開が叶いましたが、このコロナ禍において公開がたびたび休止となり、10月のまん延防止対策が解除となった折に本格的な公開が再開しました。

 

堂々の熊本城ドーーーン!

我が編集部のNもドーーーン!

大天守と小天守をバックに、両脇にはしゃちほこを従えて!

そびえ立つ雄姿の前で押さえたい!
今回の特別公開から新しい撮影スポットがお目見え。

 

いざ天守閣へ!!

天守内入口は小天守の地階 穴蔵から

迫力の「清正流石垣 武者返し(きよまさりゅういしがき むしゃがえし)」に挟まれ、重厚な門構えに圧倒されながら、前進。
武者返しは、その名の通り、上部になればなるほど垂直に石が組まれ、城に侵入してきた敵の武者を返してしまうことから呼ばれています。

そして、入口のエントランスには大きなプロジェクションマッピングの大スクリーンが!
築城当時から現代に至るまでの年表と歴史を動画で見ることができます。

入場の制限があったとしても、待ちくたびれることはなさそうです。
むしろ立ち止まってジッと見入ってしまうほどのクオリティ。

小天守地階は、現存する石垣や井戸などを活かし、江戸時代に台所だった空間がイメージできるような展示に。

井戸を覗き込むと深ーい穴が。
お賽銭みたいにお金を入れてもご利益は保証できませんので、投げ銭はナシでお願いします。

 

1階 加藤時代

加藤清正は戦国武将で熊本藩初代藩主

豊臣秀吉の家臣で、『賤ヶ岳の七本槍(しずがたけのしちほんやり)』の一人として武功を挙げ、肥後北半国の大名となりました。
勇猛果敢なイメージの清正公ですが、行政能力にも長けており、この肥後でも河川改修や町づくりに大きな功績を残しています。

そして、いまも清正公(地元の人は尊敬と愛着をもって“せいしょこ”さんと呼んでいます)の伝説や逸話として語り継いがれています。

熊本城築城と町づくり、河川改修

江戸時代の天守の造りやデザインについて確認することができる「天守軸組模型」。

そして、実際の1/3スケールの天守閣は、まさに圧巻。当時の内部の豪奢な設えもしっかり見ることができます。

フツーの素人が見ても、その精巧さと美しさには恍惚としてしまいました。

ジオラマと映像で町づくりを、シアター映像で城づくりについて解説を確認することができます。

古地図のレプリカもタモリじゃなくても見入ってしまうほど。

 

2階 細川時代

加藤家の後に熊本藩を統治

細川氏は2021年2月に終了したNHK大河ドラマで注目された細川藤孝(幽斎)の流れをくみ、加藤家に代わり江戸時代の肥後熊本を治めた藩主家です。

細川家は文化芸術においても随一といわれる大名家で、その功績はいまでも研究対象とされており、細川家に伝来した美術品や文学作品の写本、そして歴史資料(古文書・古記録)等を所有・管理する永青文庫があります。
熊本大学に永青文庫研究センターがあるので、知っている人も多いかも。

ちなみに第79代内閣総理大臣 細川護熙(ほそかわ もりひろ)氏のご先祖さまでもあります。

熊本城と城下をさらに昇華させました

熊本城を管理した細川家の時代にさらに城と城下の整備が進みました。

その経過は、模型に映像を投影して紹介されています。
ナビとともに光が指し示す解説がとても分かりやすい!

ノーブルさを漂わせ、 スタイリッシュなセンスも

文化芸術においても随一といわれる細川家ですが、その英名を垣間見ることができる調度や武具も展示されています。

金屏風は絢爛でありながら上品さを漂わせ、武具にも質実ながら繊細かつ洗練さを感じます。

 

3階 近代

西南戦争以降の熊本城が新たに展示

これまで西南戦争までの展示でしたが、改修後は西南戦争以降の熊本城の歴史も加わりました。

幾多の苦難にさらされた熊本城ですが、その都度再建されてきた軌跡を当時の画像や資料とともに見ることができます。

やっぱりテンションが上がる明治維新と西南戦争

明治時代以降に軍の管理下に置かれた熊本城の歴史と、西南戦争と天守の焼失、明治22年の熊本地震、昭和35年の天守再建までを展示と映像で紹介。

工学系だけじゃなく、歴史好きにとってもどうしても見入ってしまうフロアですね。

維新から西南戦争の詳細な展示は、当時の出来事や人々に思いを馳せつつ、現在があることの感謝を感じずにはいられません。

築城当時や江戸時代と違い、詳細な資料が揃っているので、工学系の学生には分かりやすく、興味深い展示を見学することができるでしょう。

大天守と小天守の鯱も原寸大で展示。
天守に鎮座し畏敬を感じずにはいられない姿とは打って変わって、こんな風に並ばれると親しみやすいw

 

4階 現代

現代の技術の粋が集められた天守閣の復旧

昭和・平成の修理と復元、平成28年熊本地震による熊本城の被害と天守閣の復旧について、映像や模型を用いて紹介しています。

熊本のシンボルでもある熊本城天守閣は、最新技術と伝統建築工匠の技術の融合によって今回完全復旧を遂げました。

一際目を引いた2つの装置と工法

鋳鉄ブロック(左画像)は4階に、摩擦ダンパー(右画像)は出口に展示されています。

求ム!復興城主

4階には復興城主デジタル芳名板があります。
芳名板を見てみると・・・意外に現代の「加藤清正」さんが多いことにビックリw

復興城主として寄附(1万円~)をするとこの芳名板に名前を刻むことができます。
また、ほかにも熊本城主・城主手形が発行され、城主手形を提示すると市の施設などが割引になるうれしい特典も。
詳しくはこちら >>

 

6階 天守最上階(展望エリア)

気分はまさに「一国一城の主」

熊本市内を四方に一望できる展望エリアは、大天守の最上階です!

この眺望は、正面にホテル日航くまもと、鶴屋を望んだ方向です。
手前にある大きなイチョウの木が熊本城を“銀杏城”と言わしめるシンボルの大イチョウです。

多様な人々を受け入れる熊本城

震災前の熊本城を知っている編集部としては、ホント、キレイにステキになったとうれしくなりました。

昭和感のある以前の天守もアジがあって良かったのですが、ユニバーサルデザインやおもいやりが至る所に施され、いろいろな人が気持ちよく訪れることができるようになったと思いました。

左写真の眺望は、金峰山と解体改修が決まった宇土櫓を望みます。
解体改修が決まり(日程未定)、この姿を見ることができるのは今のうちだけ。

※二の丸広場側からの入口となる北口から抜けていくと、左手に宇土櫓を間近に見ることができます。

 

まとめ

いかがでしたか?
今回は、建築や土木的目線で熊本城を紹介してみました。

このほかにもたくさんの意匠や工法などが紹介されています。
そこは、皆さんの専門の視点で見つけてみてください。

また、新しい熊本城はさまざまな趣向がたくさん。いろんな観点で楽しむことができます。

おすすめは。。。
■熊本城の都市伝説を制覇!熊本城の伝説・逸話を辿る
■「熊本城突破チャレンジ」 あなたは熊本城を落城させることができるか?!
■天守閣内をしっかり見ていれば解けるはず?!「挑戦!熊本城検定」
■「熊本城公式アプリ」で展示の解説や映像、音声(多言語対応)で、展望エリアでAR(拡張現実)を楽しもう! などなど

熊本城天守閣は、熊本地震で大きな痛手を被りましたが、これまでよりさらに魅力的で、多様な人々に来城して楽しんでいただけるよう、そして力強く、生まれ変わりました。

その新たな熊本城へぜひ出掛けてみてください。

【 コロナ感染予防対策のご協力のお願い 】
■必ずマスクの着用をお願いします。
■入退園時に手指消毒をお願いします。
■発熱または風邪の症状がある方は入園をご遠慮ください。
※天守閣内部の3密を避けることを目的として、天守閣への入場制限がかかる場合があります。

*新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」を入手しておくと入場がスムーズです。

 

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Border Line編集部 てとてら

熊本のメディア出身。熊本のローカルなグルメと観光ネタが得意。熊本にまつわる素朴な疑問あったらお問合せください。お答えします。答えられなかったら、調べます。一緒に調査(取材)してくれる学生募集中
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