1. HOME
  2. ブログ
  3. ただいま起業準備中!学生起業について「崇城大学 P&A」のメンバーに聞いてみた!

ただいま起業準備中!学生起業について「崇城大学 P&A」のメンバーに聞いてみた!

最近、キーワードとして耳にすることが多い「学生起業」。

以前に比べて起業のハードルは下がり、学生でも会社を起こせる時代になりました。

でも、実際に起業したいと思っても、どんな準備を進めていけばいいのか分からない学生のみなさんも多いことでしょう。

そこで今回は、崇城大学で起業準備中のP&Aのメンバー3人にお話を伺い、起業しようと思ったきっかけや、これから起業したい学生さんに向けてのメッセージなどを聞いてきました!

 

今回インタビューさせていただいたP&Aの皆さん

左から、岩井蘭子さん(工学研究科 博士後期課程応用生命科学専攻・1年)、中畑敏哉さん(生物生命学部 応用生命科学科・4年)、稲田慶后さん(工学部ナノサイエンス学科・4年)

P&Aは正式な社名ではなくチーム名とのこと。
P&Aの名前は、光合成細菌の英語名 Photo-synthetic bacteriaと、藻類の英語名 Algaeの頭文字をとったもの。
起業時の正式な社名は検討中だそうです。

崇城大学には、「SOJOスタートアップラボ 株式会社」があり、学生の起業に出資し、応援する制度があります。

現在、起業に際して大学関連の出資会社の支援を受けるべく準備中の3人です。

 

■なぜ起業しようと思ったのですか?

中畑さん:崇城大学には「起業部」という部活動があります。起業部では、イノベーションに向けた高い創造意欲や積極的に挑戦する発想・能力を習得することを目指して、様々な活動ができます。
私はその部に所属し、高校生のイベントや地元を盛り上げるためのビジネスプランの立案や運営を行ってきました。

また、大学では、生物生命科学領域の学科に所属し、科学を学んでいるのですが、「いつかは講義の中で学んだことを活かし、科学の分野でビジネスプランを考えてみたい。」と考えていました。

その中で、所属学科と起業部の両方で先輩にあたる岩井さんと運命的な出会いがありました。
彼女が取り組んでいた今のP&Aの原型であるプロジェクトの話を聞き、すぐに「これだ!」と思いました。思い描いていたプロジェクトと非常に近いということもありましたが、一番は以前から興味があった科学という分野で、今まで私が起業部で培った経験を活かすことができるのではと考えたからです。

そして、そのプロジェクトに参加し進めていく中で、事業展開の可能性を感じたり、P&Aに関わってくださる方々のアドバイスや励ましのお言葉をいただき、私たちの技術を活用して世の中に貢献したいという気持ちが強くなっていきました。
そこで、起業部で共に活動してきた同級生の稲田くんも加わり、3人で会社を設立することを決意しました。

稲田さん:私は入学と同時に起業部に入部しました。最初は「とりあえず入ってみようかな。」くらいの軽い気持ちで入ったんですが、起業部の活動の一つに自分たちが考えたビジネスアイデアをコンテストに応募し、その可能性を試す活動があり、コンテストに挑戦する中、私が考えたアイデアが高く評価を受けました。
その時は、本当にうれしかったですね。
それ以来、チャンスがあったら私の長所であるアイデアを活かして、起業に挑戦してみたいという気持ちが湧いてきました。
あるとき、中畑くんと岩井さんが起業を考えていると聞き、2人の研究を事業化する際に私自身のチカラを試すチャンスにできるかもしれないと思ったのが一番のきっかけです。

 

■そもそも、なぜ微細藻類の商品開発なのですか?

岩井さん:元々植物が好きで、生物生命科学領域の研究をしてみたいと思っていました。私の所属する研究室は、植物、動物、微生物など様々な生物を対象とした研究ができるんです。研究室を選んだ理由も、研究に多方面への広がりがあることで選択しました。研究テーマを検討するタイミングに、研究室の先生から「微細藻類について研究してみないか?」と勧められ、研究を始めたのが微細藻類の商品開発のきっかけです。

微細藻類とは植物プランクトンとも呼ばれ、水田や川、海などに生息しています。具体的な例としてクロレラやミドリムシを想像してもらえるとわかりやすいと思います。微細藻類は名前のとおり”微細”ですが、健康食品や化粧品、医薬品、果てはバイオ燃料の生産などその可能性は”巨大”であることに気づき、「これは面白いぞ!」と思ったんです。そして、やりがいをもって研究に取り組んでいき、気がついたら、大学院修士から博士課程にまで進学していました。私が3年間研究してきた成果が今回のP&Aのコア技術になっています。

中畑さん:微細藻類は私たちの身近なところに、多く使われています。一番分かりやすいところで食品に使われる色素です。例えば、青空のような青色をしたお菓子や氷菓があるじゃないですか。それの着色料にスピルリナ青っていう原料が使われています。実は、そのスピルリナって微細藻類なんです。だからあの鮮やかなブルーは天然素材から生み出されているものなんですよ。とはいっても、微細藻類を食べているわけではなく、スピルリナから抽出された天然の青色色素が使われているというだけです。実際には、スピルリナは多くのアミノ酸やビタミン、食物繊維などを含んでおり、今話題のスーパーフードとしても注目されています。私たちは研究知見や技術を活用し、スピルリナをはじめとした微細藻類を安定して生産することができる微細藻類活性化剤の商品化を目指しています。

 

■商品も含めて、起業に向けて今はどういった準備をしていますか?

稲田さん:今、私たちはこの技術を採用してもらえるお客様を調査しています。私たちは学生ですので、お客様から見ると信頼性の部分から少し心配に思われたりもするかもしれません。「すぐに使いたい。」と言ってもらえるようなお客様は少ないと思いますし、最初はタフな経営になると思います。

また、今着目しているのはエビ、カニや牡蠣といった海産資源の成長に微細藻類が関与しているという事実です。これから、養殖業の会社にヒアリングを行いながら、海産資源の養殖に関する情報を集めていきたいと考えています。

中畑さん:また、商品の研究開発も進めています。私たちは、この4月より外部の協力者と共同実験を開始することになっています。この結果によって、私たちがどの事業を優先して始めていくかが決まると思っています。
私たちは、この技術の可能性に大きな自信を持っているので、今回の実験の結果が悪かったとしても、問題点を明確にしながら、再チャレンジしたいと思います。

 

■現在、起業準備中ですが支障や困難はありますか?

中畑さん:困難というわけではないですが、私たちが現時点で考えている会社の方針や計画を大学内で提案する準備が少し大変ですね。

会社の方針や計画というのは、私たちが持つ理念、作り出したい未来、事業領域、ビジネスモデル、年度ごとの目標などです。

今更ながらですが、起業というのは、単に商品を展開して利益を上げるものだけではなく、社会の一員としての役割を担うことなのだと痛感しています。

崇城大学内の学生起業案件として私たちが3例目となるんですが、会社の設立意義、実現性や目標値を厳格に審査いただきます。

事業化というのは社会に対する責任もあるので、当然と理解します。
だからこそ、自分達の情熱と計画両方を丁寧に伝え、充分納得していただいた上で支援をいただけたらと思っています。

 

■起業後の将来の夢や希望はありますか?

中畑さん:私たちが提供する微細藻類の活性化技術によって、水産資源が元気に育つようにできると良いと思っています。

また、崇城大もしくは、P&Aの冠がある名前の水産物を誕生させられたらと考えています。私は地方創生という部分も意識しながら、活動しているので熊本の新しい特産品を作って、熊本をもっと盛り上げたいと思います!

 

■起業を考えている学生へメッセージ

稲田さん:最近は活字離れといいますが、私は本を読んで欲しいですね。ただ、起業というとビジネス書が真っ先に浮かびますが、あまり本を読んでいない人には、最初は小説を読むことをおすすめします。まずは想像力を膨らませることが大切だと思います。その次に、ビジネス書や専門書とジャンルを広げて行くといいんじゃないかと思います。

中畑さん:起業を考えている学生へというよりは、私と同じように将来を考える時期の学生へのメッセージです。

とりあえず行動してみるということを大事にして欲しいです。

今日、私はP&Aとして活動していることや将来の夢について熱く語らせてもらったんですが、実は高校生まで本気でやりたいことや夢を持っていませんでした。そんな私が起業部に入部し、意識したことは「アイデアを考えて終わるのではなく、実際に行動してみる」ということです。

このアイデアならいけるかもと思って実際に行動してみると、全く予測・計画通りに行かなかったことが多かったです。
ですが、その過程で色んな人との出会いがあり、多くの気付きを見つけることができました。
「次はこうしてみたいな」、「今度はあれにチャレンジしてみたいな」というようにやりたいことや夢ができていきました。
少しでもやってみたいことができたのであれば、すぐにでも行動を起こして、たくさんの経験を積んでください。これらの経験が将来につながっていくと思います。

岩井さん:もしやってみたいと思っていながら、躊躇してやっていないことがあるのなら、迷わずやってみることをお勧めします。
私は起業部に入るまでは将来の選択肢として「起業」は頭の中になかったんですが、起業部で中畑さんと出会い、実際に起業することになりました。
会社などに就職するだけではなく、起業という道もあるということを知ってもらえたらいいなと思います。

 

まとめ

起業準備中の3人でしたが、起業に向けてしっかりとした考えを持って準備を進めていました。

最近は「学生起業」というキーワードもよく耳にしますが、起業は資金の調達や事業プラン策定など困難なこともあり、そんなに簡単にできるものではありません。

しかし、自分達がやりたいこと、好きなことを仕事にしていくんだという気持ちがあれば、そんな困難も乗り越えられるんだという強い信念をP&Aのみなさんから感じ取ることができました。

これからの起業が楽しみなP&Aの3人でした。

また、今後、起業を目指すみなさんへは、多くの方法があると思います。
大学関連の出資会社であったり、ビジネスコンテストやクラウドファンディング、そして各金融機関など。

ぜひ、しっかり調べて、自身にあった方法を見つけてみてください。
夢の実現は、やはり彼らがいうように、自分で動いてみることです。応援しています!

 

併せて読みたい関連記事


The following two tabs change content below.

Borderline-N

6年前に奈良から熊本へ移住。「熊本は場所も人もご飯もポテンシャル高いのにまだまだ全国に知られていない!」と感じ、よそ者目線で情報発信をするように。若者ではありませんが、よそ者・馬鹿者の感覚で熊本の素晴らしいところを全国に発信していきたいです。
  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

\ ログインしてコメントする /

\ 新着記事一覧 /

\ 編集部ピックアップ記事 /